ケープコッドの設定とは?知られざる6つの謎【ディズニーシー】

パーク・攻略

まず、ちょっとした確認から。ディズニーシーのテーマポートは8つありますが、そこにケープコッドは入っていません。

謎① ケープコッドって、テーマポートじゃないの?

入っていないんです。ケープコッドは「アメリカンウォーターフロント」というテーマポートの中にある、一区画という位置づけ。

アメリカンウォーターフロントは20世紀初頭のアメリカがテーマで、大都会の「ニューヨーク」、のどかな漁村の「ケープコッド」、古き良き遊園地の「トイビル・トロリーパーク」で構成されています。つまりタワー・オブ・テラーとダッフィーは、同じテーマポートの住人というわけです。

言われてみればそうなんですが、意外と知らないまま歩いている人、多いんじゃないでしょうか。そしてこのエリア、小さいわりに設定の密度がとんでもないんです。

たとえば地名の由来。ケープコッドという名前は、お腹をすかせた女性が決めた、ということになっています。

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どういうこと?ってなりますよね。この記事では、そういう「なんで?」を6つ、順番に解いていきます。

とはいえ、こう思っている方も多いはず。アトラクション目当てなら、ケープコッドはポートディスカバリーへ抜ける通り道でしかない、と。その感覚、間違っていないと思います。乗り物目当てなら3分で通過できるエリアですから。

でも、立ち止まる場所を3つだけ知っておくと、この通り道が一気に化けます。

ケープコッドはどこ?場所と時代設定

場所は、ニューヨークエリアから赤いアーチの鉄橋「ハドソンリバーブリッジ」を渡った先。ポートディスカバリー寄りです。この橋、ニューヨークに実在する「ジョージ・ワシントン・ブリッジ」の旧名にちなんだ名前だと言われています。

時代設定は20世紀初頭。モデルはアメリカ北東部マサチューセッツ州に実在するケープコッドで、「ケープ=岬」「コッド=タラ」、その名のとおりタラ漁で栄えた港町です。

謎② 橋を渡っただけで、なぜこんなに空気が変わるの?

そう設計されているからです。

アメリカンウォーターフロントのコンセプトは「同じ時代のアメリカにある、対照的なふたつの港」。ニューヨーク側は馬車が自動車に、ガス灯が電灯に変わっていく大都会。いっぽうのケープコッドは、何百年も変わらずタラ漁を続けてきた田舎町です。

橋の上で感じるあの落差は、都市と地方の時間の流れ方の違いを100メートルほどに圧縮したもの。あの「ホッとする感じ」は、ちゃんとした演出なんです。

ケープコッドはなぜアトラクションがないの?

厳密にはゼロではなく、パーク内を巡る「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」がケープコッドから出航しています。それでも、絶叫系や大型ライドは置かれていません。

謎③ 静かなのは手抜きではなく、役割

公式が理由を明言した資料は見あたらないので断定はできませんが、設計からは筋の通った読み方ができます。

ケープコッドが担当しているのは「静けさ」。ここに行列のできる大型ライドを置いたら、待機列が伸びて、人が滞留して、アナウンスが流れる。せっかくの静けさを自分の手で壊すことになります。

だからここは、エンターテイメントがない場所ではなく、届け方が違う場所なんですね。

その象徴が、ケープコッド・クックオフのショーレストランです。ディズニーシーで唯一、食事をしながらキャラクターのステージを鑑賞できる場所。乗って数分で通り過ぎる体験ではなく、席に座ってじっくり過ごす体験というのが、この漁村エリアらしいところです。

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「ケープコッドは何もない」ってよく言われますけど、正確には「何も置かないという選択をした場所」なんだと思います。

ケープコッドの名前の由来|1680年、村が生まれた日

冒頭の話に戻ります。舞台は1680年。

イギリスから来た2隻の移民船が、わずかな差でこの土地に到着しました。先に上陸したエリアス・ウィンスロップ船長は、ここを自分の名から「ウィンスロップ」と命名。少し遅れて着いたヨシュア・ベッドフォード船長は「ベッドフォード・グローブ」と名づけます。

当然もめます。両船長とも一歩も譲らず、「どちらでもない新しい名前にしよう」となったものの、今度は候補が決まらないまま時間だけが過ぎていきました。

その膠着を破ったのが、群衆の中にいたひとりの女性。彼女は水の中を泳ぐタラ(コッド・フィッシュ)に目を留めて、こう提案します。「船長さん、みんなお腹がペコペコです。地名はケープコッドにしませんか」

全員が賛成。以来この場所は、ケープコッドと呼ばれるようになりました。

この物語の全文は、ケープコッド・クックオフの店内、正面入口の左手にある額に英文で掲示されています。写真に撮って、後でゆっくり読むのがおすすめです。

謎④ 1680年の話なのに、時代設定は1900年代前半。矛盾では?

矛盾ではありません。1680年は「村ができた年」で、1900年代前半は「私たちが今そこを歩いている現在」。つまり来園者は、創設から220年以上たった漁村を訪れていることになります。

証拠は現地にあって、次に紹介する灯台のプレートには1909年の年号が刻まれています。長い村の歴史では、わりと最近できた設備なんですね。

これはパークが創作したバックグラウンドストーリーです。実在のケープコッドもタラに由来する地名ですが、名づけたのは探検家バーソロミュー・ゴスノルドとされ、命名は1602年と言われています。豆知識として話すときはご注意ください。

ケープコッドの灯台に隠された物語

エリア西側に立つ、赤・白・青の灯台。名前は「ハリケーンポイント・ライトハウス」です(資料により表記に揺れあり)。大嵐に悩まされてきたこの土地で、漁船を港へ導いてきたという設定になっています。

写真映えするので撮る方は多いのですが、本当に見てほしいのは外壁のプレート。「この海域を行くすべての船に差し伸べる手であれ」という趣旨の言葉に続いて、「1909年7月4日 ケープコッドの“自由の娘たち”より」と記されています。

謎⑤ 「自由の娘たち」って誰?なぜ7月4日?

「自由の娘たち(Daughters of Liberty)」は、アメリカ独立の時代に活動した女性たちの団体名として実在します。そして7月4日はアメリカの独立記念日。

ここから浮かび上がるのは、こんな物語です。漁に出た夫や息子の帰りを、港で待つ側だった女性たち。その彼女たちが、ただ待つのではなく、自分たちの手で灯台を建てた。しかも独立記念日という日付を選んで。

何気ない一枚の金属板に、この村の誇りが詰まっています。

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これを読んでから灯台を見上げると、正直ちょっと見え方が変わります。夕方、空が焼けている時間帯が一番きれいですよ。

クックオフが村役場である理由

白い時計台が目印の建物は、村役場「タウンホール」という設定。マサチューセッツ州のユニテリアン教会がモチーフと言われています。

ここでは村の伝統行事として、誰の料理が一番かを競う料理大会「クックオフ」が開かれていて、1等には青いリボンが贈られます。お店で出しているのはその優勝メニュー、という設定。ハンバーガー屋さんにもちゃんと物語があるんですね。

謎⑥ ファストフード店なのに、なんで村役場?しかも消防署?

アメリカの田舎町では、タウンホールが集会所や催しの会場を兼ねるのが一般的だからです。村中の人が集まって料理を競うなら、ここ以上の場所はありません。

さらにおもしろいのが店内左側のダイニング。こちらは消防署の建物という設定で、消防士のヘルメットやブーツ、消防ポンプ車が飾られています。席についたら壁と天井を見上げてみてください。

【ショーを観たい人/観ない人へ】

利用方法は「食事&ショー鑑賞」と「食事のみ」の2種類。ショーを観ないなら予約は不要で、食事だけの利用ができます

ショーを観る場合は完全事前予約制で、鑑賞料金が必要です。申し込みは東京ディズニーリゾート・オンライン予約・購入サイトから。座席はランク別で料金が異なります。

※料金・上演回数・予約ルールは変更されることがあるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。

見逃しがちな設定|ペグおばさんの店と缶詰工場

「アーント・ペグズ・ヴィレッジストア」は、ダッフィーグッズが最初に生まれた発祥のお店。見落とされがちですが、このお店は村の郵便局を兼ねているという設定で、店内には郵便物の仕分け棚があります。外の看板には、ペグおばさんと3匹の猫が。ショップ脇の小さな畑では、彼女が野菜やハーブを育てていることになっています。

ダッフィー&フレンズに会える「ヴィレッジ・グリーティングプレイス」は、設定上「Grand Banks Cannery」というタラの缶詰工場の中。このGrand Banksという名前が芸細で、カナダのニューファンドランド島沖にある、世界有数のタラの好漁場として実在する海域の名前なんです。工場名だけで、この村の魚がどこの海から来ているのかまで示していることになります。

登場キャラクターや実施時間は時期により変わります。当日の状況は公式アプリでご確認ください。

なぜダッフィーの故郷はケープコッドなのか

意外に思われるかもしれませんが、2001年の開園当初、ここにダッフィーはいませんでした。

登場は2004年11月。最初はニューヨークエリアで「ディズニーベア」としてグリーティングを始め、翌2005年にケープコッドでも実施されるように。そして2005年のクリスマス後、「ダッフィー」という名前が正式に決まりました。ミッキーが長い航海で寂しくないようにミニーが手作りし、ダッフルバッグに入れて渡したことから名づけられた、というあの物語もこのときのものです。

つまりエリアのほうが3年以上先輩。それなのに、まるで最初からここが故郷だったように馴染んでいます。

最後の謎 ニューヨーク発なのに、なぜここが故郷になった?

鍵は灯台です。

ダッフィーの物語の中心にあるのは「長い航海」と「帰りを待つこと」。そして航海の目印になるのが灯台。その灯台が立っていて、しかも海に出た者の帰りを女性たちが待ち続けてきた歴史を持つ港町が、ケープコッドでした。

後から来たダッフィーの物語と、もとからあった漁村の物語が「待つ港」という一点で噛み合った。ここが故郷になったのは、空きスペースがあったからではなく必然だったと考えると腑に落ちます。

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灯台の設定を知ってからダッフィーを見ると、かわいいだけのぬいぐるみじゃなくなるんですよね。

滞在5分・15分・30分の回り方

【5分】 ポップコーンワゴンでミルクチョコレート味を買って、灯台の外壁プレートを読む。
→ クックオフ前のワゴンの定番フレーバー。買う数分がそのまま足を止める口実になります。

【15分】 上記+クックオフ店内の額(誕生ストーリー)とフォークアートの壁画。
→ 額を読んでから壁画を見ると、描かれている場面の意味がつながります。

【30分】 さらにペグおばさんの店の仕分け棚と看板の猫、フィッシャーマン・ミッキー像、グリーティング施設の国際信号旗まで。
→ ここまで見ると、村の設定がひと通りつながります。

※ポップコーンの味は時期によって入れ替わることがあります。当日の販売味は公式アプリでご確認ください。

ケープコッドに関するよくある質問

Q
ケープコッドはテーマポートですか?
A

いいえ。テーマポート「アメリカンウォーターフロント」の中にあるエリアのひとつです。同じテーマポート内にニューヨーク、トイビル・トロリーパークがあります。

Q
ケープコッドはどこにありますか?
A

アメリカンウォーターフロント内、ポートディスカバリー寄りです。ニューヨークエリアから「ハドソンリバーブリッジ」を渡った先になります。

Q
ケープコッドという名前の由来は?
A

パークの設定では、地名を巡って2隻の船長が譲らず、見かねた女性が水中のタラ(コッド)を見て提案したことで決まったとされています。実在のケープコッドもタラに由来しますが、命名者は探検家バーソロミュー・ゴスノルドとされ、物語とは異なります。

Q
ケープコッドの灯台の名前は?
A

「ハリケーンポイント・ライトハウス」です。外壁のプレートには1909年7月4日、「自由の娘たち」により建てられたと記されています。

Q
ケープコッドにアトラクションはありますか?
A

「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」が出航していますが、大型ライドはありません。ディズニーシー唯一のショーレストランがあり、エンターテイメントは食事の場を通じて提供されています。

Q
ケープコッド・クックオフのショーは予約が必要ですか?
A

ショーを鑑賞する場合は完全事前予約制で、鑑賞料金が必要です。ショーを観ずに食事だけ利用する場合は予約不要です。

Q
ケープコッドの見学にどれくらい時間がかかりますか?
A

主要スポットだけなら15分ほど、灯台のプレートや店内の掲示までじっくり見る場合は30分程度が目安です。

まとめ

テーマポートではなく、その中の小さな一区画。それがケープコッドです。

お腹をすかせた女性が決めた地名。待つ側だった女性たちが建てた灯台。役場と消防署を兼ねたハンバーガー屋さん。実在の漁場から名前をもらった缶詰工場。小さなエリアに、これだけの物語が敷き詰められています。

そしてそのほとんどが、看板やプレートという形で、今日も静かにそこに置かれています。読もうとした人にだけ読める状態で。

次に訪れるときは、ぬいぐるみを構える前に少しだけ顔を上げてみてください。同じ景色が、まったく違って見えるはずです。

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予習はここまで。あとは現地で答え合わせしてきてください。灯台のプレートとクックオフの額、この2つだけは本当に見てきてほしいです。

※本記事の設定・ストーリーは、東京ディズニーシーが公開しているバックグラウンドストーリーおよび公式ブログの情報をもとにまとめています。現地の演出・ショー内容・メニューは時期により変わるため、最新情報は公式サイト・公式アプリでご確認ください。

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